疲労回復?






 

 

「おい、お前ら何の話してるんだ?」

珍しいメンバーで話していたのでつい俺は声を掛けてしまった。

そのメンバーは、風祭、シゲ、不破。

「水野か」

俺の方を不破がちらりと見、言った。

「そうだ、水野も行かないか?」

「は・・・?」

何処に行くと云うのだろう。

「温泉や、タツボンも一緒に行くやろ?」

「・・・・・温泉?」

この辺にそんな所があっただろうか・・・。いや、確か無かったはず。

「不破くんが最近見つけたんだって!」

風祭が笑顔で答える。

見つけたって・・・いや、不破だからそうなのかも知れない。いや、でも・・・気になった俺はとうとう聞く事にした。

「見つけたって・・・?」

「あぁ、そのことか、最近お前たち・・・俺を含め選抜で大変だろう?だから、『疲労回復』の湯を探した」

「そういうことや、な、タツボンも一緒に行くやろ?」

「うーん・・・」

「水野くん行こう」

「あぁ・・・分かった」

軽くコクリと頷き言った。

 

 

実は結構楽しみだったのかも知れない。滅多に温泉なんて行かないし、それにこいつらと一緒に何処かに行くなんてことも無かったから。

 

 

「うわー、広いね、水野くん!!」

無邪気な顔をして俺に言う。

「そうだな・・・。それにしても不破、お前よく見つけられたな・・・」

広く、そして景色も良い。こんな所がある何て思ってもみなかった。

「ふむ、確かに景色が良い。これなら湯に浸かり見るだけで多少の疲れがとれるだろう」

「話は後にして取り敢えず入らへん?」

脱衣所の方を指差しニカッと笑いながらこちらを向く。

「あぁ・・・そうだな」

 

 

ガラッと戸を開け脱衣所内に入る。

周りを見ても誰もおらず、妙に静かで湯の流れる音が微かに聞こえる。

「お、センセー、貸し切りなん?」

「いや、今日は平日のため人がいないだけだ」

そんな2人の会話を聞きながら上着を脱ごうと手を掛けた時だった。

外の方から明るく大きい聞き慣れた声が聞こえてきた。

「あ、ここですよー!」

その声が聞こえると同時にガラッと戸が開いた。

「ふ、藤代くん!?」

そう、その声の持ち主は藤代だった。その後ろにも幾つ・・・いや、2つの人影が。

「お、ダンナやん」

「げ・・・三上」

そして、その2つの影は渋沢と三上のものであった。

「げ・・・とは何だ?水野。お坊ちゃんの癖に躾もなって無いんじゃねぇの?」

ニヤッと笑いながら言う三上。

ムカつきながらも確かに俺の方が悪かったと思い俺は嫌々謝ることにした。

「・・・悪かったな。それより何でアンタたちが?」

「俺が呼んでおいた」

そう言った時の不破の目がキラリと光っていたように見えたのは俺の気のせいだろうか・・・。

「でも、大勢で入るのって楽しそうだよね」

風祭、少しは疑うという言葉を知ってくれ。どう見ても不破は何か企んでいるだろ!?そう思いながら声に出せない俺も情け無いが。

「水野、考え事か?」

「・・・・いや」

「なら早く脱いで入るのだな」

「あぁ・・・」

淡々と言う不破に俺は相槌を打ち上着に手を掛ける。脱ぐ際に髪の毛がバサッと音を立てる。

「・・・・・・・?」

上半身は服を脱いだ所為で何も纏っていない。その白い肌に複数の視線が突き刺さる。

「・・・・・・・・・」

が、振り向くと誰も見ていない・・・。となると誰が?考えながら先の向きに直りズボンに手を掛けゆっくりとチャックを下ろす。だが、やはり視線がきているのが分かる。・・・一体誰が?・・・いや、考えている場合では無い。犯人を見つけること・・・それが先決だ。

「いい加減にしろっ!」

と言ういなや後ろをバッと見る。

・・・嘘だろ?

何で全員見てんだよ・・・。

「・・・俺に何か?」

そう言うと風祭と渋沢さんが真っ赤になり謝った。他の4人はというと、まだ俺の方を見ている。一体何なんだ・・・。

「・・・・・何見てんだよ」

他の4人に向かい声を発する。

「気にするな、考察中だ」

「・・・・・・・・」

「言って欲しいのか?」

「いえ、結構です・・・」

そう言われた瞬間に背筋がゾクッとした。聞いてはいけない・・・そんな気がした。不破は置いといて他の3人を見る。

「シゲ・・・三上・・・藤代」

睨みつつ、いつもより幾分低い声で呟く。

シゲは俺の胸辺りを直視しているし、三上は俺の頭から足の先までニヤニヤと笑いながら見ている。藤代は何と云えば良いのだろう。ただ見ている、としか言いようが無い。

一体何なんだホント・・・。気にしないで脱ぐべきか・・・?そう考えつつも俺は脱ぐ事にしズボンに手を掛けて下ろした。・・・やはり視線が痛い。

無視しようと心に決め、トランクスに手を掛けようとしたその時、

――― ゴックン

唾を飲み込む音が聞こえた。

その音が憩えた方に顔を向ける。明らかにその音の主・・・藤代は目が泳いでいた。

「・・・藤代」

「み、み、水野!!ゴメンっ!!つ、つい・・・」

「早く入って来いっ!!!」

藤代に蹴りを入れ、風呂場に追いやった。

「はぁ・・・」

それより、まだあの2人見てやがる・・・。

「・・・入らないのか?」

「そういう、水野は入らないのか?」

ニヤニヤと笑いつつも視線は俺から逸らさない。

「・・・アンタたちが入ったら入るよ」

今、ここで、いや、シゲと三上の目の前で脱ぐのは危ないと今更ながら思った。

 

 

 

「はぁ・・・気持ち良い・・・」

やっと温泉の中に浸かれて先程の事を忘れかけたその時だった。

――― ガラッ という音がし、1人の人物が入ってきた。

一般客だろうか?白い湯気の所為でよく見えない。だが、俺は嫌な予感がし、その人物から目が逸らせなかった。顔が見える程度の距離までその人物が近付いた。

「そんなに俺の体に興味あるの?だったらベッドの上で見せてあげるけど」

「違っ!!・・・って、郭!!何でお前が・・・!!」

「俺が呼んでおいた」

「不破!!」

・・・本当に何を考えているんだ不破。

「考察のためだ」

「考察って・・・何のだよ!?」

「水野を巡る男たちの争い・・・とでも言っておこうか」

「・・・・・・・」

理解不能だ。やはり俺は不破が苦手なのかも知れない。

「水野・・・・」

いつの間にか郭は俺の隣におり、俺の手の上にそっと自分の手をのせた。

「・・・・・・・・っ」

鳥肌が立った。

「俺のタツボンに何しとんねーんっ!!」

スパーンと思わず音がしそうなほど、勢いをつけシゲが郭に突っ込んだ。その勢いの所為で郭が湯に沈んでいたみたいだが・・・。

――― サバッ

「痛いでしょ」

その声とともに郭が立ち上がる。

「俺のタツボンに気安く触ったせいや」

「・・・いつアンタのモノになったの?」

「出会ってすぐや!」

「・・・・・・・俺は誰かのモノになった気ないぞ」

「違うだろ水野。俺のモノだろ」

三上まで参戦。

俺はどうしたら良い!?・・・というか目のやり場に困る。・・・残された道はあそこしかない。・・・俺の安息の地。

「・・・風祭ーー!!渋沢さーんっ!!」

助けてくれ!と言わんばかりに俺は少し離れていた2人の元へと行った。

 

 

風祭と渋沢さんのお陰で何とかその場は回避出来たものの、第2の争いは既に始まっていた。

「タツボンの体は俺が洗ったるんや!」

「冗談でしょ?俺がやった方が水野は喜ぶと思うよ」

「何言ってんだよ。俺が優しく洗ってやった方が気持ち良いに決まってんだろ」

「・・・三上先輩、セクハラ発言っスよ。って、俺が水野の背中流すんですよー!」

・・・勘弁してくれ。この会話を聞くだけで俺は帰りたくなってきた。

「・・・・・帰るか」

風祭と渋沢さんにだけ聞こえるように俺は呟いた。

「あ、あぁ・・・そうした方が良さそうだな・・・」

苦笑しつつも同意した渋沢さんと風祭とで静かに出て行った。

 

数分後やっと水野たちがいなくなった事に気がついた4人は、慌てて出て行った。

 

「ふむ、面白い・・・まだまだ調査する必要がありそうだ」

 

「・・・余計に疲れた」

もうアイツらとだけは絶対に温泉には行かない!と心に誓った。

 






強制終了!



もっとマシなモノを書いて下さい・・・。と自分自身に物凄く言いたいです。
温泉かー・・・。というか設定が凄い微妙で申し訳ないです。
取り合えず聖空ワールドという事でお許しくださいませ。
で、総受な水野ですが、相変わらず難アリ状態です。
もっとね・・・もっとエロくしようと途中まで思ってたんですが、長くなりすぎるため切りました。
というか書けませんでした。どうやら、ギャグは長くなる傾向にあるみたいです、私。
今回は不破が明らかに可笑しいキャラでしたね・・・後郭が変態っぽい・・・。
水野も似非になってしまった・・・。今回普通っぽいのは風祭だけなのかも知れ無い・・・。




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