たまには素直に








「おい、水野何やってんだ?」

「見て分からないのか?」

「あぁん?分かんねぇから聞いてんだろ」

俺の目を嫌そうに見つつ答える水野。

「・・・公園に行こうと思って」

「はぁ?それ持ってか?」

水野が手に持っていたのは数冊の本。

どれもサッカーの雑誌だ。

「・・・アンタには関係ないだろ」

怒ったような顔をし、三上に言う。

「あ?確かに関係ねぇけど・・・気になるし」

いつに無く素直に答える三上に驚く水野。

その顔を見てニヤニヤと笑い出す三上。

「・・・それよりアンタは何でこんな所に居るんだ」

そう此処は水野の近所にある普通の通り。

三上が居るのは少し可笑しい。

寮暮しの三上にとっては近いとは言い難い場所にある。

「・・・マジで言ってんの?」

何が?と言わんばかりの顔で三上を見る。

やっぱり鈍いなお前と心の中で言う。

「お前に会いに来たに決まってんじゃねぇか」

「はぁ?アンタ何言って・・・ちょ!何だよ!」

いつの間にか水野の手を掴んでいた三上が走り出した。

「公園・・・行くんだろ?」

 

 

「はぁはぁ・・・何で全力疾走しなきゃ駄目なんだよ!!」

「・・・・良いだろ?それとも水野くんは体力に自信が無いのかな〜?」

そんなわけ無いだろ!と言う水野を見ながらまたもやお決まりのニヤニヤという笑いをしながら三上は問う。

「で、何で公園?」

「それは・・・」

先程とは打って変わって静かになる水野を見ながらふっと思い出す。

確か今日は監督が出掛けて・・・ん?待てよ。

「なぁ、水野まさか・・・」

俺の声にビクッと体を揺らせ、そして俺の目を見る。

「家に監督来てるんじゃ・・・」

その途端水野の顔が酷く歪んだような気がした。

「そうだよっ!!」

あぁ、やっぱり・・・と心の中で思いながら水野を見る。

「で、水野くんは拗ねて出てきちゃったわけか〜」

「だ、誰が拗ねてっ!!」

「・・・その本此処で読むつもりだったんだろ?」

チラッとサッカーの雑誌を見る。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

さて、いつまで続くんだろうなこの沈黙と思いながら何処か優しい目で水野を見る。

風は少し冷たく2人の間を通り過ぎて行く。

2人が黙り数分経った所でとうとう三上は痺れを切らした。

「おい・・・いい加減話せよ!」

「アンタが話せば良いだろ」

ムカッ・・・。

俺が折角気を使ってやってるのにその態度。

「へぇ・・・じゃ、何でも良いんだ?俺が話せば」

何を言うつもりだ?と云う顔をしているがこの際無視。

「好きだ」

「へ?」

「で、返事」

「・・・何の?」

・・・コイツやっぱり天然か?と思わずに要られない返しに俺は呆れていた。

「告白の」

「・・・・告白?」

何?お前無視する気?それともマジで気付いてないの?

「・・・今さっき言っただろ」

相変わらず何が?という感じの水野に俺は相当苛立ち始めていた。

「・・・・・・・・?」

俺はそっと近付き水野の唇に唇を重ねた。

 

その時はきっと時が止まっていたんだ。

そう思わずには要られない俺が居た。

 

「な、な、何してんだよ!アンタ!!」

「何って・・・キスだけど?分かんねぇの?お子様の水野くん」

「わ、分かるけど・・・じゃなくて!!何でしたんだよ!」

「だからさっき言ったじゃねぇか」

「何を!?」

「好きだ・・って」

あぁ、何かお子様過ぎてちょっと泣けてくる。

俺って実は可哀想かも・・・何て思ったりもしてみたり。

「・・・嘘だろ」

ポツリと呟く水野を俺は抱き寄せる。

「バーカ、嘘だったら言わねぇ、お前男だし」

「・・・・・・・・・」

「で、返事。待てって言うなら待つし・・・駄目なら駄目で別に構わねぇけど」

「・・・・・・・・・・・・」

「あ?聞こえねぇつーの」

何かを喋り出す水野、だが俺の耳には届かない。

「だか・・・・言・・・」

耳が赤くなってく水野の声を必死に聞こうとする。

が、中々聞こえない。

「・・・もっと大きい声で言えよ」

「だから、俺も好きだって言ってる!!」

「は・・・?」

思わず声が出る。

今、コイツは何て言った?

「・・・お前今、好きって言った?」

「・・・・・・・・・」

赤いな顔・・・またそこが可愛いって思う俺も重症何だろうけど。

「・・・いいからもう放せよっ!!」

あ、そういや俺、抱きしめてたんだっけ?

「顔赤いぜ?」

ニヤニヤと笑いつつ更に強く抱きしめる。

「ちょっ・・!放せっ・・!!」

「嫌だね」

 

 

 

取り敢えず水野の告白も聞けた事だし良しとしましょうか。

にしても、俺・・・このお子様相手にいつまで持つかちょっと心配・・・。

我慢出来なくなったときは遠慮なく頂きますので宜しく〜

って事で・・・此れから宜しく。

 

 







END



三上ーー!!またお前かよー!って感じで。
というか此れで良いのだろうか・・結構不安定なままアップしてしまいました。
取り合えず我武者羅に書いてみたらこんなのになりました。
ギャグ?シリアス?どっちにも属さない普通・・。


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